月が割れ風船が割れて次は?
「月が割れそう」を書いたのは2018年。
こよりのミニアルバム「シンドローム」の最後を飾る曲となった。
月のうさぎが壊れていく地球を見て嘆いている曲。
月のうさぎが壊れていく地球を見て怒り、杵を打つ力が強くなって月が割れてしまいそうという曲。
夜空を見てそんな事を思って書いてから2年、次は「風船が割れそう」を書いた。
こよりの2枚目のアルバム「歯車」に入れるつもりではなく、3枚目のアルバムにと思って書いた曲だ。
しかしそれを「歯車」のストレートなロックにしてみたところ、これはこれでいいのじゃないかと思って「歯車」に入れて、その後に本筋の「風船が割れそう」を間髪入れずリリースしたら面白いと思ってこの流れになった。
しかし「月が割れそう」から「風船が割れそう」?
なんでこうなるの?
正直言って単なる遊び心。
次を何を割ってやろう?という簡単な思いつきから生まれたのが「風船が割れそう」だ。
まあ、曲作りってこういうもの。
何を書こうと頭をグルグルさせる事も悪くは無いが、こんな感じで軽率な発送から題材を得て書くってのもいい。
そう、きっかけなんだな。
なんでもきっかけが大切で、そのきっかけを幅広く受け止めることでが物事が思わぬ面白い方向に進む事も多々ある。
そしてとんでもなく深い世界に入り込んでしまう事も多々ある。
この「風船が割れそう」がそうだ。
自分の心を風船に見立てて心がどんどん膨らむ。
それも期待で膨らむのではなく不安で膨らむ。
その風船を割ろうとする自分が目の前に針を持って居る。
その針を持った自分を恐れる自分も居る。
そして風船の外にも中にも風船を割ろうとする自分が居る。
不安はどんどん自分に対する不安に変わる。
そういう追い込まれた人を描いたのがこの「風船が割れそう」だ。
この「風船が割れそう」の題材を思いついた時はこんな歌になるとは全く思ってもいなかった。
どうやって風船を割ってやろうと頭を巡らせていた。
風船を膨らむすのはいいが、その風船をすぐに割ってしまう子供の歌を可愛く描く?
期待と気体?で膨らみきった現代社会。
その中でエリート達が更に期待を膨らませるような材料を作り上げていく。
それを人達は喜び、期待をどんどん吸い込んで膨らんでいく。
しかし世界はいつからか過去を省みることを忘れ、人達の心は期待の存在する未来にしか住めなくなっていた。
そして結果的に自分の居場所も見失い、最後には期待と気体で膨らみきった風船も割れてしまう。
?
こんな事も考えた。
しかしどれも怖い。
やはりこういう事しか歌に出来ないのかと自分の風船を割る。
そして結果的に「自爆」をテーマにした曲になった。
あまり気持ちの良い話しでは無い。
まだ月のうさぎが怒っている方が救われる。
しかし生まれてしまった「風船が割れそう」を責めても仕方がない。
ところでこよりはこの「風船が割れそう」をしっかり捉えて歌っているだけでなく、PVや歌詞カードで書いたイラストがいい!
女の子が寝転がって針を持って、その針を自分の方に向けている。
周りには風船が飛んでいる。
よく見れば怖い絵だ。
こよりはやはりこういう暗い面を描かせたら独特なものがある。
長々と書いて来たが「風船が割れそう」聴いてみてください。
「風船が割れそう」(YouTube Music)
テリアバークスのホームページ、又はこよりのオフィシャルサイトでこよりのイラストもご覧になってください。
こよりのオフィシャルサイト
そしてもうすぐリリースする本筋の「風船が割れそう」をお楽しみに。
「歯車」配信サイト一覧
菜象(木村菜緒)